ホンダ AX-1

AX-1は、ホンダが昭和も末期の1987年に発売したバイクです。
当時としては珍しい「ディアルパーパス型」(オフロードタイプの形をしているが、オンロード[市街地]向けにチューンしたもの)です。
バブル真っ盛り、そしてバイク人口がピークの時に作られたバイクであるため、オフ車然ながら豪華な身なりをしています。
そんな「豪華さ」に目を奪われて購入しました。

ちなみに…AX-1の形式名は「MD21」。
ホンダでの「MD」というと、郵政専用カブ(MD=Mail Delivery)を思い浮かべる方も多いはず。
まぁ、AX-1は身なりからして郵便配達とは無関係ですが(笑)、バイク便の車種としてはよく選定されていたそうです。

 

さて、AX-1の豪華さを一つ一つ紐解いてみましょう。

■2つ目ライトスタイル

オフ車にこんな装備いらんやろ?
でもカッコいいんだなー。
フロントサスを隠すラバーブーツも、アクセントに一役買っています。私は、このスタイルが「都会的」に見えるのです。

あ、オフ車じゃない、デュアルパーパスでした。


▲オフ車っぽいシルエットに似つかぬ2眼ライトとラジエーター。だがそれがいい…

 

■タコメーター付きメーターパネル

オフ車にこんな装備(以下略)
でもナイスな装備です。私的には大賛成。
エンジンがパワフルなので、タコメーターがブンブン動いて楽しいです。マルチエンジン車に乗ってるような感覚を覚えます。

 

■水冷4サイクルDOHC4バルブ単気筒 29馬力

このバイクの一番の特徴です。
オフロードタイプのバイクは、パワーよりも軽量・堅固が要求されますので空冷SOHCで構成されるエンジンが多いのですが、コイツは違う。
水冷です。DOHCです。ツインカムです。しかもバルブが4つもあります。
「走ってください、回してください」と言わんばかり。

実際、すげぇ走ります。そしてすげぇ回ります。
ビックリするぐらい軽快に力強く動く(なんか言葉が矛盾してますが、こう言わざるを得ない)エンジンです。
「ホンダの真骨頂エンジン」と表現している方もいらっしゃいます。

車体が軽量なのに、エンジンがパワフルなので、結果として戦闘能力抜群になったのでしょう。
2人乗りでシグナルダッシュをかましたら、タンデマーから「怖い!怖い!!」と言われました^^;

 

■アルミキャストホイール&PRO-LINKサスペンション&前後ディスクブレーキ

ここまでやるか?!と言わんばかりの装備です。
もはや只のデュアルパーパスとも言えないですよ。
PRO-LINKサスは、足付きの良さと悪路の走破性を両立して作られたサスペンションで、当時は画期的な技術と謳われていました。
嗚呼、バブリー。

しかし、タイヤはしっかりオフロード向けのブロックタイヤです。

 

■柔らかシート

AX-1のシートは柔らかいです。すげぇ柔らかい。
そしてPRO-LINKサスがよく沈む。だから足付きは抜群。しかし実はこの組み合わせ、長時間移動には向かないのです。
サスがよく動いてシートが沈むと、それだけ尻と腰に負担が掛かるのです。
これはもう短距離向けの構造といって良いでしょう。


▲タコメーターが見えますでしょうか?
細身で小さく見えますが、実車は意外にも大柄で、どっしりと構えた感じです。でも軽い。

 

AX-1は、購入してすぐに、度肝を抜かれたことの連続でした。
「単気筒ってこんなに面白いエンジンやったっけ?!」「パワフルで高速も余裕で走れる!」「シート柔らかいわぁ〜」
実は昔、試乗でヤマハのXT250Xに乗ったことがあるのですが、それが性に合わず、以来ずっと単気筒車は敬遠していました。
そんな単気筒のマイナスイメージが、AX-1によって根底から覆されました。
いやはや、なんとも…。こんなに楽しい単気筒のバイクがあるなら、もっと早くに出会いたかったな、と思いましたね。

 


▲吉野山にて。市街地向けとは言え、AX-1には山間部が似合う気がする。

 

とにかく、出会うのが遅すぎた。
確かに斬新で、楽しいんだけど、高速で長距離移動をよくするようになった身としては、このバイクではちょっと苦しい。
(パワーはあるけど軽量なので、高速道路はしょっちゅう流されました)
2500回転以下の低回転域はギクシャクするので、狭隘路では扱いに苦労したという面もあります)

折しも、所有バイクを減らさなければならない事情が出来てしまったので、勿体ないが、半年で手放してしまいました。

 

しかし、このバイクの経験が、2年後に生かされることになるのですが、それはまた別のお話と言うことで。

 

 

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